小笠原と小豆島

小豆島1周ルート 3日目
小豆島の北東の吉田浜を出発し、小豆島の北西の千振島に上陸した。
小豆島1周ルート 4日目

小豆島の北西の千振島を出発し、となりの葛島(かざしま)沖ノ島(おきのしま)を1周し、自然舎前の浜にゴールした。

 カヤックを漕いでいると色々な生き物に出会うことがある。小笠原の海ではアオウミガメやマンタ(大きなエイ)、さらにはサメに追いかけられたこともあった。何といってもザトウクジラが目の前でプハッと潮を吹いた時は感動した。そして小豆島の海にも僕が会いたかった生き物がいた。その生き物とは?

小豆島1周3日目  
6:00
 
朝の光の中、体を思いっきり伸ばして、沖を眺める。今日も穏やかな海が広がっている。お茶を入れてカロリーメイトをかじりながらテントの片づけを始める。

7:30
 
出発。吉田湾を出るといよいよ小豆島の北側に入った。長い砂浜がいくつも見られたが、どこも流れ着いたゴミがいっぱいであまり上陸する気が起きない。そのまま通り過ぎると灘山の採石場付近となった。
 山がごっそりと削られている。産業のためとはいえ悲しい気分になる。海岸線も運搬船を係留するために高い護岸が施されており、カヤックが上陸できるような場所はない。追い風に乗って一気に小部まで漕ぎ続けた。
 

8:30
 
小部の手前の小さな浜でちょっと休憩し、沖の小島を目指した。島の内側を漕いでいる時、カヤックの横に突然黄土色の塊が水面近くまで浮き上がり、すぐに潜っていった。スナメリだ!
 スナメリは沿岸に生息する1m前後の小型のイルカで、かつては瀬戸内海にも多数生息していたが、最近は環境の悪化のため激減している。この旅で僕が会いたかった生き物だ。しばらく息を凝らして再び浮上してくるのを待つが、その後現れることはなかった。
 遠くには「こぼれ美島」と呼ばれる大小7つくらいの小さな島が見える。スナメリに別れを告げ、そちらに進んでいった。
 こぼれ美島の一つ大島に上陸した。この浜には角の取れた白っぽい石がごろごろと転がっている。その石ころの浜に座り一休みする。
 

9:50
 
再び、カヤックを漕ぎ出す。この周辺はやや潮がはやい、潮の流れを感じながら点々とつながる島を回り、田井ノ浜の沖をさらに西に向かって進む。
 しばらく行くと再び島が見えてきた。

10:50
 
小島の浜に上陸してお昼ごはんにした。
 小豆島の北側に入ると海がだんだん濁ってきたような気がする。小豆島の東海岸の海が青色だとすると、北海岸は濁った緑色という感じだ。

アカクラゲ
カヤックを漕いでいると多くのクラゲに出会う。
見た目の毒々しさが表すように、アカクラゲの触手には毒がある。
海水浴をしていてこのクラゲを見たときは注意しよう。

12:20
 
お昼を終えて再び出発。屋形崎を越えると定置網や漁船が多くなり、この辺りは漁業が盛んなことが分かる。漁船の邪魔にならないように端っこを通り過ぎる。
 
 蕪崎を越えると今日のゴールである千振島が見えたが、目の前には強い逆潮が流れていた。パドルを止めるとどんどんと押し戻されていく。最後の力を振り絞って、千振島を目指して少しずつ少しずつ前進していった。

15:00
 
なんとか千振島にたどり着くことが出来た。浜に座ってボーッとしているうちにいつの間にか夕暮れがせまっていた。
 この旅の荷物に入れておきながら今まで一度も弾くことがなかったウクレレを取り出し、がさがさになった指で弾いてみる。ポロンとした音が一人ぼっちの浜に響いた。

千振島(ちぶりじま)
3日目のキャンプ地点。
この島のまわりはよい漁場になっていて、たくさんの釣り船や漁船が集まる。
島の中にはタヌキがいるようで、海岸に足跡があった。


小豆島1周4日目
6:00

 
昨夜は一晩中テントの薄い膜を通して、波の音と船の音が聞こえていた。眠い目をこすりながらテントから這い出して外に出てみると、一気に目が覚めた。
 なんと潮が満ちてテントのすぐ下まで海が迫ってきているではないか。もし昨夜が大潮だったら背中が冷たくなって飛び起きていただろうなぁと笑ってしまった。
 怖いのは浜に置いてあるカヤックが流されてしまうことだ。昨夜は浜の一番高いところにカヤックを引っ張り上げておいてよかったとホッと胸をなで下ろした。
 

7:30
 
朝の光をあびながら片づけを終わらせ、いよいよ小豆島1周の旅のゴールへ向けてカヤックを海に浮かべた。まずは隣の葛島(かざしま)を1周する。現在は無人島になっているが、かつての住居跡らしき建物もあった。
 
 次に目指すは沖ノ島。沖ノ島には今も人が暮らしており、対岸の小豆島までの数十メートルを渡し舟が通っている。僕がカヤックで通り過ぎた時はちょうど通学時間だったようで、数人の制服姿の学生を乗せた小さな渡し舟が運航していた。不思議なものでも見るような高校生たちの眼差しを受けながら、その横をカヤックで通り過ぎた。
 
 しばらく行くと目の前をフェリーや高速船が行ったりきたりしている。遠くには豊島、小豊島が見える。土庄港に近づいてきたことを実感する。土庄港のそばにあるごま油工場から香ばしい香りが流れてくる。

土渕(どぶち)海峡
世界一幅の短い海峡としてギネスブックに登録されている。(最短幅は約10m)
が、その実態は、ちょっと汚い運河といった感じ。
ここを通るときには、道行くおばさんやそばにある高校の生徒に上から声をかけられるので、にこやかに手を振りかえそう!

9:30
 
土庄港を通り過ぎるとだんだんと海の幅が狭まっていく。土渕海峡にやってきた。
 一端、海岸に上陸し、実家に電話をする。実は昨日からカメラの電池が切れてしまい、写真が撮れなくなっていた。土淵海峡をカヤックで漕いでいる写真がほしかったので、実家に電話をして写真を撮りに来てもらうようにお願いをした。

 準備万端、再びカヤックを海に浮かべ世界一短い海峡に突入した。しかし、ところどころ排水が流れ込んでいるのが見え、臭いもひどい。あまり世界に誇れるものではない。

 橋の下を抜けると上から母が手を振っていた。何枚か写真を撮ってもらう。3日前に比べると顔も腕も日に焼けて、ずいぶんと真っ黒になっていることだろう。

10:00
 
数人の通行人の励ましを背に海峡を抜けた。狭い海峡から広い海に出ると風がとても気持ちよく感じた。もうすぐゴールだ、疲れがたまった体にもう一度気合を入れ直し、ゆっくりとカヤックを前に進める。

 蒲生の沖を通っていると目の前に背びれを出して浮いている魚がたくさんいた。そーっと近づいてみると大きなボラがのんびりと浮かんでいる。さらに近づくと驚いてバッシャと潜っていった。ボラも天気がいいと昼寝をするのだろうか。
 

11:00
 
飛崎を越えると、3日前に出発した浜条の浜が見えてきた。一漕ぎ一漕ぎゴールの浜が近づいてくる。
 ゴールは次の旅へのスタート地点。次はどこへ行こうかな?
 いや、まずは冷たいビールでしょ。
 ビールに向かって、カヤックは一気に加速していった。
                 (小豆島1周小さな旅 おわり)
池田港
小豆島と高松を結ぶ航路のうちの1つの港。
(ちなみにその他に高松とは土庄港、草壁港が結ばれている)
フェリーの上にはなぜかキリンとカメがのっかている。
子供たちには大人気。
自然舎は池田港のすぐそば。

戻る

上へ
その1へ その2へ