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エベレストへの旅





エベレスト街道 トレッキング 7日目 白い世界

4月1日(トレッキング7日目 ディンボチェ~ロブチェ)

仲良くなったイギリス人はいつもポテトフライを食べていた。

そして朝はいつもポリッジ。

ポリッジってなんなんだって覗き込んで見ると、どうやらコーンフレークみたいなものみたい。

英和辞典によると「《主に英》オートミールなどを水や牛乳で煮たかゆ;朝食に良く食べる」。

なるほど、たしかにイギリス人が毎朝食べている。

ちょっと気になって僕も注文してみる。

おっ!案外いける。砂糖を入れて甘くするとお菓子みたいだ。ただ、半分も食べると飽きてきた。これを毎朝はちょっとな、と思う。

この旅で改めて思った。日本人は柔軟で和の精神を尊ぶ。

たとえば西洋人はあまりダルバート(ネパールの郷土料理)を食べない。たいていがパスタかサンドイッチ、ポテトフライ、たまにフライドライス(チャーハン)だ。

彼らは自分たちの生活や文化をそこに持ち込もうとする、もしくは求める。

それに比べ僕ら日本人はその土地で食べられている食べ物を食べ、その土地の文化を吸収しようとする。

どちらがいいのかは分からないが、僕らは日本人であることを誇りに思った。

(それとも僕とイッコだけ?)

8:20 今日もよい天気の中出発。

なだらかな荒野をゆっくりと歩く。

広い荒野に何本ものトレイルが刻まれている。

トレッカーがゆく。

シェルパがゆく。

ヤクの隊列がゆく。

エベレストへつづく道。

それにしてもヤクやゾッキョ(というかグループの先頭のやつ。リーダー?)は頭がよい。

ルートを自分で選択して進んでいく。

道を覚えているのだろうか?

それとも道に残された他のヤクたちのにおいをたどっているのだろうか?

いや、もしかしたら一緒に後ろを歩いている牛飼いのおっちゃんが指示を出しているのか?

なににしろヤクたちは重い荷物を背中に積み、文句も言わずもくもくと前に進む。

時たま、脇にそれて水を飲んだりして、おっちゃんに怒られているやつもいるが・・・。(笑)

10:30 今日の行程の中間地点トゥクラに到着。

ちょうど、仲良くなった陽気なアメリカンガイ3人組がお茶をしていた。いっしょにティーブレイク。

彼らとはカトマンズからルクラに飛ぶ飛行機から同じだった。

高山病予防のため、1日に標高500m程度しか登れないから、エベレストトレッキングの行程はだいたい同じようになる。

つまりトレッキングスタートの日が同じならば、道中何度も顔を合わす。

おまけに宿の数も限られているから、その日の宿も一緒なんてことも何度か起こる。

お互いだんだんと顔を覚え、声をかけ、話すうちに仲良しになっていく。

特に僕らはアジア人2人組。しかも元気なイッコがみんなに声をかけまくるので目立っていた(笑)

お茶を飲みながらみんなでおしゃべり。3人のうちの1人はおばぁちゃんが日本人のクオーターと付き合っているらしく写真を見せてくれた。

「かわいいやんけー。」

かなり盛り上がった(笑)

楽しいお茶のあとには難所が待っていた。

「トゥクラパス」。峠越えだ。

ジグザグと不安定な足場を1歩1歩しっかりと踏みしめながら登っていく。

それにしても荷運びのシェルパたちはすごい。

ものすごく重そうな荷物を背負っていながら着実に上へ上へと登っていく。

ただただ感心するばかり。

「ナマステ。ダイ。(お兄さん)」

イッコが元気に声をかけると。

「ナマステ。ボイニィー。(お嬢さん)」

と返事をくれる。

峠を無事登りきると、尾根にたくさんの石積みが並んでいた。

隣のガイドに聞くと、エベレスト登頂サポートの際に亡くなったシェルパたちのお墓だそうだ。

尾根の上を吹く風に色鮮やかなタルチョがパタパタと舞っていた。

エベレスト。

多くの人を魅了する美しき世界は死を身近に感じることのできる世界でもある。

ここからは樹も生えない荒涼とした世界が始まった。

川も凍っている。というか氷河だ!

氷河が削り取った谷間。

氷河が運んできた岩。

目の前にはプモリがそびえていた。

エベレストBCに荷物を運んで帰るところだろうか?

背中に荷物がなく軽やかな足取りでヤクたちが山を下りて行く。

黒ヤクの群れの中に1匹の白ヤクがいた。

白い大地。

白い岩。

白い雪。

白いヤク。

その後ろにどこまでも青く深い空が広がっている。

14:00 ロブチェ(4910m)到着。

ここまで来ると本当に人の暮らしというもを感じられない。

谷間のちょっとした平地に、エベレストを目指す人たちのシェルターが寄り添っている。

食堂には高山病で倒れそうになっている若いお兄ちゃんがいた。

大丈夫かと心配するが、僕だって人のことは言えない。

咳がとまらなくなり、あいかわらず頭が痛い。

油断をするとすぐに命を奪われそうな荒涼とした世界。

明日はいよいよカラパタール。


エベレストトレッキング豆知識

宿の注文はオーダーするものを自分で書いて注文し、チェックアウトの際に合計して支払うというシステムになっています。

ガイドがいるグループはこれをすべてガイドがやってくれますが、僕らはすべて自分たちでやっていました。

トレッキング8日目につづく

ディンボチェの村。昨夜は靄っていたが、朝になると青空が広がっていた。
みんなそれぞれのペースで、それぞれの道を歩いていく。
旅の安全を祈ったのだろうか。あの山と同じように石が積まれていた
トゥクラの峠でほっと一息。ナイスガイたちと一緒にお茶を飲む。
ほっと一息のあとのかなり厳しい峠越え。1歩1歩ゆっくり息を整えて登る。
峠の上にはかつてこの地で命を落としたシェルパたちのお墓が並ぶ。冷たい風にタルチョが揺れる。
ロブチェはあの先なのです。
プモリッ!
軽やかな足取りのヤク。エベレストBCで荷物をおろしてきたのかい?
氷河から解けだした川の水で洗濯。あまりの冷たさに手が痛い!
ロブチェの村。荒涼とした世界。ここには生活の匂いはない。