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エベレストへの旅





エベレスト街道 トレッキング 2日目 高山病出現

3月27日(トレッキング2日目 モンジョ~ナムチェ)

6:00起床。
窓から雪の積もった山が見えた。昨日の雨はやみ、よい天気になりそうな空が広がっていた。

昨夜は夜中に何度もトイレに行ったため、あまりよく眠れなかった。

高山病の予防のためには①ゆっくりと登る。そして1日の高度差を500m内に抑える。②防寒を心掛ける。③水をたくさん飲む。1日3~4リットル。④3,600m、4,300mあたりでそれぞれ1日休息日を取る。などの対策があるのだが、水をいっぱい飲んでいるためか1日中おしっこに行っているような気がする。

まぁ、平地にいる時からしてトイレが近いのだが・・・。

エベレスト街道沿いのロッジはだいたいが質素なものだ。そして高度があがるにつれてその質素さは加速していく。

まだ出発して間もないこのロッジは比較的きれいで、作りもしっかりしているが、基本は部屋には簡単なベッドが2つあるだけのシンプルなものだ。

隣の部屋とはコンパネ板1枚で仕切られている。話声やいびきなど隣室の物音は筒抜けとなる。

それでも、外でキャンプをしながら登ることを考えるとものすごく快適な旅だ。

しかも宿では食事もできる。

エベレスト街道沿いの宿はレストラン(食堂)を併設しているのだが、宿泊費は非常に安く(200Rb~300Rb:260円~390円)、宿泊者に食事をしてもらうことで収入を得ているような感じだ。

食事を合わせると1泊1000Rb~1500Rbになる。(当然ながら高度があがるにつれて食事代が高くなる。)

この日の朝食はトースト&目玉焼きとチャパティにミルクティ。ミルクティはネパール語で「ドゥチャ」。甘いミルクティはトレッキングには欠かせない。

温かいドゥチャは体を温め、疲れを癒してくれ、ほっと一息つくことができる。旅の間、いったい何杯もドゥチャを飲んだことか。

8:00出発。

モンジョの街を過ぎたところのチェックポイントで入山料(1000Rb)を支払い、入山証(TIMSカード。こちらはエベレストに入る前に、カトマンズ市内のネパール観光局内にあるTIMSカウンターで申請手続き・購入をしておく必要あり。$21)を提示し、本日のトレッキングがスタートした。

本日の旅の安全を願って、まずはゲート内のマニ車をぐるぐる廻す。

歩きながらいろいろな人々とすれ違う。

「ナマステ!」

イッコがネパール語で「こんにちは」と、すれ違う人たちに元気に挨拶をしている。

「ナマステ!」

僕らのようなトレッカーはもちろん、地元の人だって、誰もが笑顔で答えてくれる。

重い荷物を担ぎ、しんどそうな顔をしたおじちゃんさえ、声をかけると恥ずかしそうに挨拶を返してくれる。

見ず知らずの人に挨拶するなんて都会じゃ絶対考えられないかも。でも、それがここでは恥ずかしくもなく出来る。なんだかいい感じ。

しかも、他のグループのガイドをやっているシェルパたちが、僕たちを見ると「ニホンジンデスカ?」「コンニチワ!」「サヨウナラ。」と声をかけてくれる。

とても陽気なシェルパたち。

なかには友だちそっくりな顔をしたシェルパが「コンニチワ!」と通り過ぎて行く。

なんだかとても親近感がわく。お互いそう思っているのかもしれないな。

エベレスト街道の川を渡る橋はどれもかなりしっかりとしたものだ。

イッコが言うにはアンナプルナ側に比べると、橋だけではなく、宿も、道も、ガイドも(!)、いろんなものがきれいで、整備されているという。

僕たちが落とすお金は微々たるものかもしれないが、エベレスト登頂を目指す人たちが支払う金額は相当なものだと聞くから、そういったお金が街道や橋を整備するのに使用されているのかもしれない。

橋には色とりどりの布が結び付けられていて、それが風にはためいている。

タルチョとかキタといわれるこの旗には経文などが刷り込まれており、旅の無事を願って旅人たちが結び付けたものだ。

旗がはためくたびにその経文は風にのり、遠くエベレストの山頂まで飛んで行くのだろう。

川を渡るとひたすら上り坂が続いた。

少し歩いただけで、はぁはぁとものすごく息が切れる。

のは、僕だけのようで、ものすごく重そうな荷物を背負ったシェルパや西洋人のトレッカー、何人もの人たちが僕を追いぬいていく。

そして気がつけば、いつもイッコが前方で僕を待つために休んでいる。

まぁまぁ、そんなにあせらずゆっくり行きましょう。

休憩中一緒になったシェルパガイドに良い言葉を教えてもらった。

「ビスターレ。ビスターレ。」

ネパール語で「ゆっくり。ゆっくり。」

そうそう、ビスターレで行きましょう。

12:30 登り続けること4時間半。
なんとか本日の目的地ナムチェ(3440m)に到着した。

ナムチェはちょっとした街だった。

コの字形をした集落に宿やおみやげ屋さん、アウトドアショップ、ベーカリー、インターネットカフェ、両替商などいろいろな店が軒を連ねている。

トレッキングの拠点であり、このあたりに住む人々の交易の中心地でもある。

僕たちは行きも帰りも日程が合わず見ることができなかったのだが、毎週土曜日にはバザール(市)が開かれ、大勢の人たちで賑わうそうだ。見てみたかったな。

本日の宿を決め、部屋休んでいると雲が街をすっぽりと覆い始め、急激に気温が下がり始めた。午後になると天気が悪くなるのがこの時期のエベレストの天気の特徴なのだろうか。

そして歩いているときはそうでもなかったのだが、食堂でミルクティーを飲んでいると、熱が出たときのようにぼぉーっとしてきて、こめかみあたりがきりきりと痛み始めた。

まさに高山病の初期症状。

深呼吸を何度もするが症状は改善されない。今後どんどん高度があがっていくというのに大丈夫なのだろうか?

隣のいっこはというと、今日の夕ご飯を決めるべき楽しそうにメニューを覗き込んでいる。

いっこの足を引っ張らなければいいのだが・・・。

まるで窓の外の雲のように僕の心の中には暗雲が立ち込めていた。

が、お腹がすいたので僕もメニューを覗き込む。

いまだ高山病の症状の1つである食欲不振に関しては、僕ら二人とも現れていない。晩ご飯が楽しみだ。

明日は高度順応のためナムチェ連泊。

トレッキング3日目につづく

本日の朝食。トーストとチャパティ。ミルクティは欠かせない。
モンジョの外れのゲートでTIMSカードを提示し、入山料を支払う。
シェルパたちはこんなに大きく重そうな荷物を背負ってスタスタと歩いていく。
ロバも橋を渡る。
タルチョが風にはためき、経典が風に溶け込んでいく。
休憩中、洗濯ものを干す。道行く人が笑って通り過ぎる。
ナムチェまで急な上り坂が続き、息が切れる。
ナムチェバザールに到着。大きな眼が描かれたストゥーパ(塔)が僕らを迎えてくれた。
ナムチェの街。富士山よりも高い場所に街が広がっている。