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小豆島遺産 不思議の旅

プロローグ

瀬戸内海の東に浮かぶ小豆島。
「あずきじま」でも「こまめじま」でもなく「しょうどしま」。
地元の人は「しょう」にアクセントを置いて、しょうどしまと発音します。

本州や四国などの主要4島を除けば、その大きさは日本の島々の中では19番目。
大きいのか小さいのかよく分からない中途半端な小豆島ですが、島の海岸線の複雑さを他の島と比較すれば、かなり上位にランクインしていると思われます。

自然舎が独自に開発した単位Dec.(でこぼこ度:島の海岸線の長さ÷島の面積 注:実際にはそんな単位はありません・・・)を計算するとそれが良く分かります。

沖縄や北方4島を除けば日本で最も大きな島である佐渡島が0.31 Dec.であるのに対し、小豆島は0.82Dec.とその値は極めて高く、小豆島がいかにデコボコしているかが分かります。(島の海岸線長と面積の数値はWikipediaを参照)

その複雑に入り組んだ海岸線を持つ小豆島。
地図を広げ、子どものような想像力あふれる心で見てみると、頭を西側に向けた牛のような形をしているのに気がつきます。

そんな神さまのいたずら、はたまた自然の偉大な力で作り上げられたワンダーアイランド小豆島。実は島の中にも不思議がいっぱい詰まっているのです。

この小豆島遺産のコーナーでは、本当はあんまり教えたくはないけれど、このページを訪れてくれたあなたのために、特別に自然舎オススメの小豆島の不思議スポットを紹介します。

それではガイドブックには乗っていない小豆島不思議の旅のスタートです。

島の秋。稲刈りが終わったあぜを朱く彩る彼岸花。





小豆島88ヵ所霊場 1番札所洞雲山

小豆島といえば何を連想しますか?

24の瞳、オリーブ、ソーメン、醤油、etc. 、いろいろイメージできますが、実は巡礼の島、癒しの島でもあったのです。

小豆島には四国88カ所霊場と同様に島独自の大小88ヶ所の霊場が存在しています。かつては島にフェリーが到着するとあふれんばかりの白装束のお遍路さんが港に降り立ったほど、たくさんの巡礼者でにぎわっていたそうです。

僕の実家は札所の1つ西光寺という寺のすぐ近くなのですが、子どもの頃はたくさんのお遍路さんがお参りに訪れていたことを覚えています。

「ちりんちりん」とお遍路さんの鈴の音が聞こえてくると、急いで家を飛び出し、近所に住んでいる悪ガキたちと合流し、寺の門をくぐるお遍路さんたちに向かって「おへんろさん、豆ちょーだい。」と、小さな手を伸ばしたものでした。

普通、お遍路さんが来ると地元の人たちがお遍路さんに対し何か施しをするものですが、これはその逆。僕たち地元の子どもたちは、お遍路さんたちから飴やチョコレート(かつてはのお遍路さんは炒り豆などを非常食に持っていたのでしょうが、僕たちが子どもの頃は豆を持っている人はまれでした)を接待されていたのです(笑)

とにかく、小豆島には88を越えるたくさんのお寺が点在し、最盛期ほどではないものの今でも多くのお遍路さんが癒しを求めて小豆島を訪れています。

その中でも島の山中に存在する山岳霊場と呼ばれているお寺には興味深いものが多く、僕の中で不思議ミステリー&パワースポットとなっています。

第一回小豆島遺産には、その山岳霊場の1つを取り上げたいと思います。

なにかを感じる洞雲山


醤油屋が軒を連ねる醤の郷と呼ばれている安田という町から山を見上げると、大きな岩山から始まるぎざぎざとした特徴的な山並みを見ることができます。向かって左の岩山が大嶽、続いて碁石山、洞雲山となります。その山の名前がそのまま付けられた山岳霊場が1番札所洞雲山(どううんざん)です。

醤の郷から林の中のくねくね道を車で登ること約5分。車を降りるともうそこは不思議世界の入り口です。ごつごつとした切り立った岩肌がそびえ立ち、そのすぐ下に寺への道が伸びています。

少し歩いて寺にたどり着くと、入り口脇に立派な鐘がぶら下がっています。まずは一礼して鐘を突いてみましょう。「ゴーン」と澄んだ鐘の音が周りの岩や山々に染みこんでいきます。

入り口の階段を上るとまず目に入ってくるのが、すっくと天に向かってまっすぐに伸びている大きな杉の木。辺りには、ここだけ少し気温が低いのではと感じるくらい荘厳な空気が漂っています。

大きな木を見ればやってみたくなるのがハグ。大杉に体をあずけ、耳をすませて樹の言葉を聞いてみましょう。(周りに人がいない時にこそっとやるのがいいですよ。木に抱きついていると変な人だと思われますからね。)木と山と洞雲山との一体感を感じます。そして、杉の樹皮が意外にふわふわと動物的な感触を持っていることに驚きます。

大杉の上には池があり、その池の向こう、オーバーハングした岩のくぼみには白い観音様が静かに立っていらっしゃいます。午後にここを訪れると太陽の光が池の水面に反射し、光の波紋が岩の上をゆらゆらと踊っています。まるで異次元空間に迷い込んだような、ここだけ時間が緩やかに流れているような、そんな気分にさせられます。

さらに奥に進むと大きな岩の裂け目が目の前にどーんと現れます。まるで中に龍でもひそんでいるような黒い闇が中に入るのをしり込みさせます。

岩壁に沿った階段を登り、少しずつ闇に体をなじませ、岩の裂け目の奥へと進んでいきましょう。裂け目の奥、洞窟となっている部分が洞雲山の本堂となっています。本堂の前に立てられたたろうそくの光が、煤で黒くなった壁や天井を静かに照らしています。

ひんやり薄暗いこの空間でかつては修験者たちが瞑想、修行していたといわれてます。中央に祀られている毘沙門天に手を合わせ目を閉じると、その頃の読経の声が岩から染み出してきそうです。

いやー、洞雲山、いつきても不思議な所です。

しかし、これだけじゃないのが洞雲山のすごいところ。

毎年、夏至(げし:一年でもっとも日中の時間が長くなる日)の頃になると、洞雲山の特徴でもあるごつごつした岩肌に光の観音様が出現するのです。その名も夏至観音!

夏至を中心に約50日の間だけ、午後3時ごろに射しこむ太陽の光が観音様の像を岩肌に映しだします。光と影が作り出す神秘的な現象です。

ふわっと現れて、あっという間にふわっと消えていってしまうのですが、信心深い心を持った人には観音様のお顔や冠までくっきりと見えるそうですよ。もちろん僕にも見えますけど・・・。

また冬至(とうじ:一年で一番日が短い日)の頃には月の光で現れる月光観音が出現するとか。真夜中にひっそりと出現する月光観音、一度見てみたいものです。(1人じゃ怖いので一緒にいってくれる人募集中)

小豆島霊場一番札所洞雲山、そこは光と闇を感じることのできる空間です。

不思議いっぱい小豆島、旅はまだまだ続きます。

第2話 重ね岩 へ

洞雲山の入り口。ここから不思議な世界が始まります。
大きな杉にまずはあいさつ
まるで竜でも潜んでいるような岩の裂け目。この奥に本堂があります。
夏至観音出現!あなたには見えますか?